春めいてきた。死んでいったあの子は今年の春を知らない、知ることはない。暖かい陽だまりの中ベンチに座って煙草を吸いながら音楽を聴いていると顔や交わした言葉が頭をぐるぐると駆け巡る。生き辛さが溢れて堪らなくて声を殺して泣いた夜、死ななくて良かった。病気や天災や事故で、もしかしたら急に死んじゃうかもしれない。あと何年生きるか分からないけれど、天国で待ち合わそうね、必ず追いつくから。傷ついて泣いたりしてないかな。心配だよ。落ち合ったらお土産話沢山聞かせてあげる。こんな素敵な人と出会ってね、忘れられない恋をしたのよ〜とか。あっちの世界では今こんなバンドが流行っててね、とか。あいつに傷付けられたから呪っちゃおうかなんて冗談を言いながら。でも私天使になれないかも。今からでも間に合うかな、巻き返せるかな。天国で君に会うために私は生きなきゃいけない。健やかに、ゆるやかに生きていくよ。これから本当の愛を知って、大切にし、大切にされながら。

あんなに死にたがりだった私がほら、今こんなにしっかり立ってる。自分が決めたルールを信じてね。どうしようもない夜の過ごし方、少しずつ分かってきたよ。君のおかげ。ずっと大好きな友達。

死神DANCE     N'夙川BOYS

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